数日以内にどうしても少額のお金が必要なときの対処法

給料日前の生活費不足、突然の冠婚葬祭、医療費の支払い、趣味の費用など、数日以内に少額の現金が必要になる場面は誰にでも訪れる可能性があります。

そんなとき、真っ先に思い浮かぶのが「借入」かもしれません。

しかし、安易に借りてしまうと利息の負担が重くのしかかり、後々の生活を圧迫してしまうリスクがあるのも事実です。

手元にある不要品を売却する、質屋を利用する、単発の仕事で収入を得るといった方法であれば、返済の負担を背負うことなく資金を用意できます。

既に加入している生命保険の契約者貸付制度や、クレジットカードの既存枠を活用する手段も検討する価値があるでしょう。

それぞれにメリットとデメリットがあり、状況によって最適な方法は異なるため、少額だけが必要でも慎重に判断をすべきです。

借りずに数日で少額を用意する方法

借入をしない調達方法の最大のメリットは、返済のプレッシャーを背負う必要がない点にあります。

手元にあるものを現金化する、自分の労働力で収入を得るといった方法であれば、後々の家計を圧迫することもありません。

特に、数日から1週間程度で数万円が必要という状況では、以下の方法が十分に機能することが考えられます。

数千円なら不要品の売却で調達できる可能性

フリマアプリの代表格であるメルカリやラクマまたは、Yahoo!オークションでは、スマートフォンひとつで出品から取引まで完結できます。

服や雑貨、家電、ゲーム、本など、自分には不要でも他の誰かには価値があるものは少なくありません。

特に人気ブランドの衣類や限定品、美品の家電などは比較的早く買い手がつく傾向があり、季節物はタイミングを合わせれば意外な高値で売れることもあります。

出品から売却までの流れは以下の通りです。

• 商品の写真を撮影し、状態や詳細を記載して出品
• 購入希望者が現れたら取引開始
• 商品を梱包して発送
• 購入者が受取評価をすると売上金が確定
• 売上金を銀行口座に振込申請（通常1～3営業日）

リサイクルショップは店舗に持ち込めばその場で査定と買取が完了するため、即日現金化が可能です。

ブックオフやハードオフ、セカンドストリートなど全国展開している店舗も多く利用しやすいですが、フリマアプリで売るよりも安くなってしまうのが難点です。

審査不要で資金が調達できる質屋の利用

質屋は、ブランド品や貴金属、時計などの価値ある品物を担保として預け、その査定額に応じた現金を即日で受け取れるサービスです。

売却とは異なり、元金と質料（利息）を支払えば預けた品物を取り戻せる点が大きな特徴となっています。

質屋の仕組みは、品物を一時的に預けて現金を借りる「質預かり」と、品物を完全に売却する「買取」の2種類があります。

質預かりの場合は期限内に元金と質料を支払えば品物は返却されますが、期限を過ぎると「質流れ」となり所有権が質屋に移ります。

質屋のメリットは、クレジットカードやカードローンのような信用情報の照会がなく、即日現金化できる点です。

ただし、古物営業法により本人確認（運転免許証やマイナンバーカードなどの提示）は必須となっています。

古物商は、古物を買い受ける際、取引の相手方（あなたに古物を売る人）の住所、氏名、職業、年齢を確認しなければなりません。

古物商許可申請をされる方へ｜警視庁

品物と本人確認書類があれば利用できるため、信用情報に問題がある人でも品物さえあれば問題なく利用できる点に違いはありません。

給与の前払いや即日払いサービス

すでに働いた分の給与を通常の給料日より前に受け取る「給与前払いサービス」は、借入ではなく自分が稼いだお金を早めに受け取る仕組みです。

勤務先が導入していれば、申請から数日で指定口座に振り込まれます。

給与前払いサービスには企業が直接提供するものと外部サービスを経由するものがあり代表的なサービスとしては、PayPayの「給与即日払い」や「CRIA（クリア）」、「楽天早トク給与」などが挙げられます。

最も注意すべきは、前払いを受けた分だけ次の給料日の手取りが減るという点です。

毎月のように利用していると慢性的な資金不足を招く恐れがあるため、緊急時の一時的な手段と位置付け、緊急時のみの利用としておかなければなりません。

単発バイトや日払いの仕事

単発の日払いや即日払いのバイトは、イベントスタッフや引越し作業、倉庫での軽作業、試験監督、交通量調査など多岐にわたります。

求人サイトやアプリを活用すれば、自分のスケジュールに合った仕事を見つけやすいでしょう。

空いた時間だけ働けるスキマバイトも有効です。

最も有名なのはタイミーで、他にもシェアフルなどもあり、各サービスではスマートフォンで簡単に登録から応募、仕事まで行えるようになっています。

日払いバイトのメリットは、自分の都合に合わせて働ける自由度の高さです。

本業がある人でも休日を利用して収入を得られますし、必要な金額だけ稼いだら終了できます。

また、様々な仕事を経験できるため、新しいスキルを得られたり、自分に向く職種が見つけられる可能性があるかもしれません。

既存の契約を使った資金調達方法

すでに契約している保険やクレジットカードを活用することで、新たな審査を受けずに資金を調達できる場合があります。

これらは借入に近い性質を持つものの、既存の契約内で利用できるため、審査の手間や時間を省けるのが特徴です。

特に生命保険の契約者貸付制度は一般的なカードローンより低金利で利用できることが多く、保険契約も継続できる利点があります。

クレジットカードの分割払いや後払いサービスも、現金を直接借りるわけではないものの、手元資金がない状況での支払いを可能にする手段として有効です。

生命保険の契約者貸付制度

生命保険に加入している場合は、解約返戻金の範囲内でお金を借りられる契約者貸付制度を利用できます。

借入可能額は解約返戻金の7～9割程度が目安となり、保険会社によって異なります。

ご契約者さまに急な資金や一時的な資金がご入用になったときに、保険契約の解約払戻金の一定範囲内で必要資金をお貸しすることができるのが「ご契約者貸付制度」です。

ご契約者貸付制度のご案内 | 太陽生命保険

利用できるのは解約返戻金のある保険に限られ、主に終身保険や養老保険、個人年金保険などが対象で、掛け捨てタイプの定期保険では利用できません。

金利は年2～8％程度と、消費者金融やクレジットカードのキャッシングと比べて大幅に低めに設定されています。

返済期限も特に定められていない契約も多く、無理のないペースで返済できる利点があります。

手続き方法は保険会社によって異なるので、契約している保険会社のホームページでご確認ください。

クレジットカードのキャッシング枠を使う

手持ちのクレジットカードにキャッシング枠が付いていれば、新たに申込をすることなく借りることができます。

借入となるために返済の必要がありますが、枠があればすぐに利用できる点がメリットです。

まずはカード会社の会員ページから、キャッシング枠があるかどうかを確認してみましょう。

キャッシング枠がない場合は審査を受けなければならず、クレジットカードのキャッシング枠の審査は以下の条件を満たさなければならないため、ショッピング枠だけのときよりも審査が厳しくなります。

• 年齢条件：多くのカード会社でキャッシング枠は満20歳から
• 収入条件：キャッシング枠の利用には自身の安定した収入が必要（無職、専業主婦は不可）
• 借入条件：カードローンやキャッシングの借入があり、年収の3分の1に達していると不可（総量規制）

キャッシング枠の審査には時間がかかることがあります。

これからキャッシング枠を付けて借入をする場合は、数営業日の日数は見ておくことになるでしょう。

あまりおすすめできない身近な人から借りる方法

保険の契約者貸付やクレジットカードのキャッシングの利用を避けたい場合は、家族や友人から借りるという選択肢もあります。

親しい間柄であれば利息や契約書なども不要で口約束で貸してもらえることもありますが、人間関係に亀裂を生む原因になりやすく、実際にはあまりおすすめできません。

「親しい仲だから大丈夫」という油断が、後々の大きなトラブルにつながることも少なくありません。

返済が遅れたり約束を守れなかったりすれば、信頼関係は簡単に崩れてしまいます。

家族や親族からの借入の注意点

家族から借りる際は、たとえ身内であっても借用書を作成することが重要です。

借入金額、返済期日、返済方法を明記し、双方が署名・押印することで後々のトラブルを防げます。

口約束だけで済ませると記憶違いや認識のズレから関係が悪化する恐れがあるため、書面に残すことをおすすめします。

友人知人からの借入の注意点

友人や知人から借りる場合は、家族以上に慎重に対応をしなければなりません。

友人に借金をお願いすること自体が、相手にとって大きなプレッシャーになる場合があります。

もし友人から借りることになった場合は、必ず書面で契約を交わすべきです。

金額、返済日、利息の有無を明記した借用書を作成し、双方が保管します。

口約束だけでは「言った、言わない」のトラブルになりやすく、友情を守るためにも書面化は必須といえます。

友人からの借入はどれだけ親しい間柄であっても最終手段と位置付け、他に方法がないか十分に検討してから判断することをおすすめします。

カードローンやキャッシングで借入

ここまで紹介した方法でも資金が用意できない場合は、銀行や消費者金融のカードローンやキャッシングで借入を検討することになります。

カードローンやキャッシングは無担保で保証人も不要で、周囲に知られずに借りられる点がメリットです。

審査に通れば即日融資も可能で、早いところであれば申込から数十分程度で提携コンビニATMや銀行振込で借りることができます。

借入を検討する前に確認すべきこと

カードローンやキャッシングを利用する前に、以下の3点を必ず確認しましょう。

これらを怠ると、返済に苦しむ事態を招く恐れがあります。

• 本当に借入が必要か：不要品の売却や単発バイトなど、他の方法で対応できないか再検討する
• 返済能力があるか：毎月確実に返済できる金額を計算し、返済シミュレーターで総返済額を把握する
• 借りすぎないか：必要最小限の金額のみ借り、追加借入を繰り返さない

カードローンは限度額内で何度でも借りられるため、借金が癖になりやすい特徴があります。

「ちょっとだけ」が積み重なり返済困難に陥ることも少なくないため、借入は慎重に必要最小限の金額のみにしておくことが重要です。

消費者金融カードローンの特徴

プロミス、アコム、アイフルなどの消費者金融カードローンは、申込当日にすぐに借りられるのが大きな特徴です。

50万円以下であれば本人確認書類だけで借りられ、申込から契約までWeb上で完結できます。

実質年率はカードローンによって異なりますが、初回契約で借入金額が少額であれば、多くの場合で上限の実質年率18.0％が適用されます。

実質年率18.0％で5万円を30日間借りた場合は利息が約740円発生するため、慎重に利用することが重要です。

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銀行カードローンの特徴

三井住友銀行、みずほ銀行、三菱UFJ銀行のメガバンク、または楽天銀行などのネット銀行のカードローンは上限金利が消費者金融カードローンより低いのが特徴です。

返済時に支払う利息が抑えられるため、返済負担を少しでも軽くしたい方に適しています。

上限金利の低さは魅力ですが、その代わりに銀行カードローンは審査が厳しくなっています。

アルバイトやパートの方では審査に通らないことも多く、審査落ちとなれば希望通りに借りられません。

カードローン利用時は以下の返済シミュレーションを使って、借入前検討前に毎月の返済や最終的な返済額が確認しておくと良いでしょう。

必ず確認しておきたいお金を借りる際の注意点

お金を借りる際は、正しい知識を持って慎重に判断することが不可欠です。

違法業者に騙されたり、法律を知らずに不利な条件で借りてしまったりすれば、取り返しのつかない事態を招く恐れがあります。

安全かつ計画的に借入を行うために、押さえておくべきポイントを知っておきましょう。

正規業者か必ず確認する

借入を申し込む前に、必ず相手が正規の貸金業者かどうかを確認しましょう。

金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で業者名や登録番号を入力すれば、正式に登録されているかがすぐに分かります。

正規業者ではない、いわゆる「闇金融」で借りてしまうと大きなトラブルになってしまうため、聞いたことがない貸金業者を利用する場合は確認が必須です。

正規業者ではない闇金融の特徴として、以下のような謳い文句を使うことが多く見られます。

• 「審査なし」「誰でも融資」と宣伝している
• 固定電話がなく、携帯電話番号のみで営業している
• 金利や返済条件の説明が曖昧
• SNSやネット掲示板で「お金貸します」と投稿している
• 契約書を渡さない、または内容が不明瞭

こうした特徴に当てはまる業者は絶対に利用してはいけません。

少しでも怪しいと感じたら、手を出さないことが自分の身を守ることに繋がります。

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貸金業法のルールを理解する

貸金業法には、利用者を守るための重要なルールが定められています。

特に理解しておくべきは、総量規制と上限金利です。

詳しくは日本貸金業協会の貸金業法の概要ページでまとめられています。

法律の内容や貸金業法の仕組みをしっかりと知ってから借りたい場合は、目を通しておくと良いでしょう。

返済計画をしっかりと立てる

借りた後に返済ができなくなることがないように、返済計画はしっかりと立てるようにしてください。

カードローンの多くは借入残高によって毎月の返済額が決まるため、「いくら借りたらいくらずつの返済になるのか」の確認は必須です。

多くのカードローンは繰上返済が自由に行えます。

積極的に返済することで返済期間が短縮でき、利息総額も減らせるので、余裕のある返済ができるかも確認しておくと安心です。

絶対に避けるべき資金調達方法

お金に困っているときは、甘い言葉に誘われて避けるべき手段に手を出してしまう人がいます。

一度でも間違った資金調達方法を利用すれば、想像を超えるトラブルに巻き込まれる危険性があるでしょう。

どれだけ困窮していても、以下で紹介する方法は絶対に利用してはいけません。

闇金融や違法業者

上でも触れているので繰り返しになりますが、正規業者ではない闇金融は絶対に利用してはいけません。

違法な業者となるための金利も法律を守っておらず、たとえ数万円程度の少額だけの利用であっても、数十万円の請求がされるようなことになってしまいます。

違法な取り立ても行ってくるため、一度でも利用してしまうと家族や会社に大きな迷惑がかかることになります。

クレジットカードの現金化

「ショッピング枠を現金に」という宣伝文句の現金化業者は、カード会社の規約違反です。
※ 参考：クレジットカードのショッピング枠の「現金化」の誘いに注意｜一般社団法人日本クレジット協会

発覚すれば強制解約や一括請求を受けるだけでなく、信用情報に傷が付いてしまうことで、今後のローンやカードの審査に重大な悪影響を与える可能性があります。

カード会社はシステムによって現金化が疑われる利用を監視しているため、現金化業者を利用するとカード会社にバレます。

クレジットカードの現金化のトラブルは絶えず起きているため、絶対に利用しないようにしましょう。

怪しいところには注意する

怪しい業者に手を出すより、正規のカードローンを利用するほうが遥かに安全です。

大手消費者金融や銀行であれば法律で定められた金利と取り立て方法を守っており、相談窓口も充実しています。

返済計画をしっかりと立て、無理のない範囲で利用すれば、カードローンは安心して使える便利なサービスです。

ただし、借りるなら返済計画をしっかりと立て、無理のない範囲で利用することが大前提となります。