蓄電池の容量選定・停電時稼働時間計算ツール
「停電になったとき、どのくらいの蓄電池があれば安心か」を家電のワット数から逆算できます。逆に「今検討している蓄電池なら、停電時に何時間もつのか」も計算できます。数値を入力すると自動で再計算され、ボタンを押す必要はありません。
条件を満たす容量帯の目安(オムロン KPBP-Aシリーズ 公式スペックより)
| 型式 | 公称容量 | 実効容量 | この負荷での稼働時間 | 判定 |
|---|
「判定」が条件を満たす行は、入力した家電構成・希望稼働時間の条件を満たす実効容量であることを示す目安です。実際に搭載できるかはメーカー公式仕様書・施工業者に必ずご確認ください。
本ツールの結果は概算・学習用の目安です。実際の稼働時間や蓄電池の搭載可否は、機種の仕様・使用環境・気温・経年劣化・同時使用する家電の起動時消費電力(モーター系家電は起動時に定格の数倍の電力を要することがあります)等によって大きく変動します。
購入・契約の判断は、必ず販売施工業者の見積もりとメーカー公式仕様書でご確認ください。本ツールは特定商品の推奨を行うものではありません。
人工呼吸器・在宅酸素濃縮器などの生命に関わる医療機器をお使いの場合は、本ツールの目安値だけで判断せず、必ず医療機器メーカー・主治医・電力会社の停電時対応窓口にご相談のうえ、専用の非常用電源をご準備ください。
使い方
モード①は「停電時にこれだけは動かしたい」という家電が決まっている場合に使います。冷蔵庫・照明・スマホ充電・Wi-Fiルーターは最初からチェックが入った状態(合計230W)になっていますので、そこから家電を追加・削除したり、消費電力の数値を実際の家電のラベル表示に合わせて編集してください。「+家電を追加する」ボタンで任意の家電を自由に追加できます。希望する稼働時間(初期値24時間)を入力すると、必要な実効容量(Wh・kWh)と、必要な公称(定格)容量の目安が自動計算されます。あわせてオムロン公式スペックの蓄電池モデルのうち、条件を満たすものが一覧表示されます。
モード②は「この蓄電池(または検討中の製品)なら、停電時に何時間もつか」を確認したい場合に使います。カタログ等でよく表示される「公称(定格)容量」から実効容量比率を使って概算するか、メーカー公式仕様書に実効容量の記載がある場合はその数値を直接入力してください。停電時に使う家電の合計消費電力(W)を入力すると、稼働時間が自動計算されます。
計算例
例1: 最低限の家電を24時間動かすために必要な容量は?(モード①)
冷蔵庫150W・照明60W・スマホ充電10W・Wi-Fiルーター10W(合計230W)を24時間動かしたい場合、実効容量比率90%で計算すると次のようになります。
| 必要実効容量 | 230W × 24時間 = 5,520Wh(5.52kWh) |
| 必要公称容量の目安 | 5.52kWh ÷ 90% ≒ 6.13kWh |
| 候補モデルの例 | オムロン KP-BU65B-2S(公称6.5kWh・実効容量5.9kWh)を実際に当てはめると、5,900Wh ÷ 230W = 25時間39分(約25.65時間)動かせる計算になり、希望の24時間を満たします。 |
例2: 手持ちの蓄電池で何時間もつか(モード②)
オムロン KP-BU164-2S(メーカー公式スペックの実効容量14.8kWh)を使い、停電時に500Wの家電を動かし続ける場合、稼働時間は次の式で求められます。
| 稼働時間 | 14,800Wh ÷ 500W = 29.6時間(29時間36分) |
計算式と根拠
蓄電池には、カタログの目立つ位置に記載される「公称(定格)容量」と、実際に充放電に使える「実効容量」の2つの数値があります。実効容量は、電池の劣化を防ぐための制御(過充電・過放電の防止)や制御回路の消費分などにより、公称容量よりも小さくなるのが一般的です。オムロンのKPBP-Aシリーズでは、公式スペックで公称容量と実効容量の両方が公開されており、実効容量は公称容量のおおむね89〜91%です(出典: オムロン公式スペックページ)。実効容量が非公開の機種では、京セラ公式解説等でも「定格容量の約80〜90%を実効容量として考えるのが実務的」と説明されています。本ツールは実効容量比率の初期値を90%としていますが、これはあくまで目安であり、メーカー公式仕様書に実効容量の記載がある場合はその数値を優先してください。
- 必要実効容量(Wh) = 合計消費電力(W) × 希望稼働時間(h)
- 必要公称容量(kWh) = 必要実効容量(kWh) ÷ 実効容量比率
- 停電時稼働時間(h) = 実効容量(Wh) ÷ 消費電力(W)
主要蓄電池の公称容量・実効容量 早見表
| メーカー・型式 | 公称(定格)容量 | 実効容量 | 実効比率 |
|---|---|---|---|
| オムロン KP-BU63-B | 6.3kWh | 5.7kWh | 90.5% |
| オムロン KP-BU65C-A | 6.5kWh | 5.8kWh | 89.2% |
| オムロン KP-BU65B-2S | 6.5kWh | 5.9kWh | 90.8% |
| オムロン KP-BU97C-A | 9.7kWh | 8.7kWh | 89.7% |
| オムロン KP-BU98B-2S | 9.8kWh | 8.8kWh | 89.8% |
| オムロン KP-BU127-B | 12.7kWh | 11.4kWh | 89.8% |
| オムロン KP-BU130C-A | 13.0kWh | 11.6kWh | 89.2% |
| オムロン KP-BU164-2S | 16.4kWh | 14.8kWh | 90.2% |
| Tesla Powerwall 3 | 13.5kWh | 13.5kWh(公称=実効) | 100% |
| シャープ JH-WB1821 | 8.4kWh(定格8.0kWh) | 非公開(使用環境で変動) | 未確認 |
Tesla Powerwall 3は公式データシート上、公称値がそのまま「Usable capacity(実効容量)」として記載されている点が他機種と異なります。シャープJH-WB1821は実効容量の具体的な数値が公式カタログに非公開のため「未確認」としています。ニチコン等の他メーカーの容量ラインアップは各社公式サイトでご確認ください。
よくある質問
「公称容量」と「実効容量」はどちらを見ればいいですか?
停電時に実際に何時間使えるかを知りたい場合は「実効容量」を基準にしてください。カタログの見出しで大きく書かれた数値は公称(定格)容量であることが多く、実際に使える量はそれより1〜2割程度少なくなるのが一般的です。メーカー公式仕様書に実効容量の記載があれば、必ずそちらを優先してください。
エアコンや電子レンジなど、消費電力が大きく変動する家電はどう入力すればいいですか?
本ツールは入力した消費電力(W)が常に一定で流れ続ける前提の単純計算です。エアコンやモーターを使う家電は起動時に定格消費電力の数倍の電力(突入電流)を要することがあり、また運転状況によって消費電力が変動します。実際に搭載を検討する際は、家電の背面ラベルや取扱説明書に記載の「消費電力」「定格出力」に加えて、施工業者に起動時の電力についても確認することをおすすめします。
実効容量比率の90%という数値の根拠は何ですか?
オムロンKPBP-Aシリーズの公式スペックページで公開されている8機種の公称容量・実効容量を比較すると、実効比率はおおむね89.2%〜90.8%の範囲に収まっており、90%はその実測平均に近い値です。ただしこれはオムロン1社の実測値に基づく目安であり、他メーカー・他機種では85%程度から公称値=実効値(100%)まで幅があります。搭載を検討する製品の公式仕様書に実効容量の記載があれば、必ずその数値を使ってください。
停電時、蓄電池は自動的に電力を供給してくれますか?
停電時の挙動は蓄電池のシステム(単機能型・ハイブリッド型・トライブリッド型など)や設置方法によって異なります。自動で自立運転に切り替わる機種もあれば、手動での切り替えや専用コンセントへの差し替えが必要な機種もあります。この点も含めて、必ず販売施工業者に停電時の具体的な操作方法を確認してください。
- オムロン KPBP-Aシリーズ 公式スペックページ(公称容量・実効容量・実効比率の一次資料): https://socialsolution.omron.com/jp/ja/products_service/energy/product/bt/kpbp_spec.html
- Tesla Powerwall 3 公式データシート: https://energylibrary.tesla.com/docs/Public/EnergyStorage/Powerwall/3/Datasheet/en-uk/Powerwall-3-Datasheet-EN.pdf
- シャープ 蓄電池 JH-WB1821 仕様: https://jp.sharp/sunvista/battery/wb1821_spec.html
- ニチコン 蓄電システム製品一覧: https://www.nichicon.co.jp/products/ess/list.html
- 京セラ公式解説「住宅用蓄電池の容量の考え方」: https://www.kyocera.co.jp/solar/support/topics/yoryo-storage-for-residential/
免責事項: 本ツールの計算結果は、公開されている一部機種の公式スペックおよび一般的な目安値に基づく概算・学習用の参考情報です。実際の稼働時間・搭載可否・費用は、機種仕様・使用環境・気温・経年劣化・契約内容等により大きく異なります。購入・契約に関する最終判断は、必ず販売施工業者の見積もりおよびメーカー公式仕様書でご確認ください。本ツールは特定の商品・サービスを推奨するものではなく、内容の正確性・完全性を保証するものではありません。