このツールで分かること・分からないこと
内閣府大臣官房公文書管理課長通知(表1)は、行政文書を長期保存・移管する際に望ましいとされる「標準的フォーマット」を12形式定めています。本ツールは、選択されたファイルの先頭バイト列を固定のシグネチャと照合し、この12形式に含まれるかどうかだけを判定します。ファイルはブラウザの外へ送信されません。長期保存への適否や、実際の移管可否を判断するものではありません。
本ツールでできないこと
- PUID(PRONOMのフォーマット固有識別子)は出力しません。PRONOMのシグネチャデータベースを内蔵しておらず、英国立公文書館が採番する識別子を独自に付番できないためです。
- 画像・音声・動画のコーデックは検証しません。コンテナ形式の判定にとどめており、内部の映像・音声コーデックまでは解析していません。
- OOXMLのStrict形式とTransitional形式は区別しません。Word・Excel・PowerPoint(2007以降)の判定は、ZIPコンテナとcontent typeの確認までにとどめています。
- PDF/Aかどうかの判定は行いません。PDF/Aの版を識別する仕組みを定めた規格が有料で、無償で公開されている公式の資料を確認できなかったためです。PDF/A-1・PDF/A-2・PDF/A-3の区別も行いません。
- マクロ有効ブック(
.xlsmなど)は検出しません。ECMA-376の全4パートを確認しましたが、マクロ有効かどうかを示す規定が見つからなかったためです。 - CSVの判定は行いません。RFC 4180自身が、CSVには先頭の固定バイト列(マジックナンバー)が無いと明記しているためです。
拡張子だけでは区別できない形式がある
課長通知 表1の12形式のうち、PDF/A-1・PDF/A-2・PDF1.7の3形式は、拡張子がいずれもpdfで共通しています。また、Word 2007以降・Excel 2007以降・PowerPoint 2007以降の3形式は、いずれもZIPを外側の入れ物とする同じOOXML構造です。あわせて12形式のうち6形式は、拡張子だけを見ても互いに区別できません。本ツールが拡張子ではなく中身のバイト列を読む理由はここにあります。
PDFのバージョン表記だけでは判定できない場合がある
国立公文書館の調査報告によると、標準的フォーマットに含まれるPDF/A-1がベースとしているのはPDF1.4であると記載されています。ところが、ファイル先頭の%PDF-1.4というヘッダ表記だけでは、標準的フォーマットに含まれるPDF/A-1なのか、含まれない単なるPDF1.4なのかを区別できません。
本ツールはPDF/Aかどうかの判定を行いません。PDF/Aの版を識別する仕組みを定めた規格は有料で、無償で公開されている公式の資料を確認できなかったためです。したがってPDFについては、先頭が%PDF-1.7のものだけを表1の「PDF1.7」に該当するものとして扱い、それ以外のバージョンは「判定できませんでした」と表示します。「含まれていません」とは表示しません。誤って「含まれていません」と表示すると、本来は標準的フォーマットであるPDF/A-1を変換してしまう恐れがあるためです。
通知本体に登場しない形式がある
課長通知は全72ページありますが、本文を確認すると、TIFF・WAVE・CSV・XML・ODF・PDF/A-3という文字列は一度も出現しません。これらの形式について国の別の調査検討報告書で候補として挙がったことはありますが、行政機関が従う課長通知 表1そのものには含まれていません。本ツールは課長通知 表1の12形式のみを基準にしています。
入力方法と処理の範囲
ファイルを選ぶ、フォルダを選ぶ(フォルダ内を一括選択)、ファイルをドラッグ&ドロップする、のいずれかで判定するファイルを指定できます。判定では各ファイル先頭の一部だけを読み込み、ファイル全体は読み込みません。大量のファイルを指定した場合も、少しずつ処理しながら進捗を表示し、途中で中止できます。
よくある質問
ファイルはサーバーへ送信されますか?
送信されません。判定に使うのはファイル先頭の一部だけで、すべてブラウザ内で処理します。
拡張子を偽装したファイルも見分けられますか?
中身の先頭バイト列で判定するため、拡張子だけを書き換えたファイルも検出し、「拡張子との食い違い」として表示します。
PDF/A-1とPDF1.4を確実に区別できますか?
本ツールはPDF/Aかどうかの判定を行いません。先頭が%PDF-1.7のものだけを表1の「PDF1.7」に該当するものとして扱い、それ以外のバージョンは「判定できませんでした」と表示します。「含まれていません」とは表示しません。
判定結果は長期保存や公文書の移管可否を保証しますか?
保証しません。本ツールは課長通知 表1の「標準的フォーマット」12形式に含まれるかどうかの照合に限ります。
PUIDやコーデックの情報は取得できますか?
取得しません。本ツールはPUID(PRONOMのフォーマット固有識別子)を出力せず、画像・音声・動画のコーデックも検証しません。
形式ごとの詳しい説明はどこで見られますか?
「デジタルファイルの長期保存フォーマット早見表」で、形式ごとの詳しい比較を確認できます。
各形式の国際標準規格、拡張子の例、国立公文書館の評価まで形式ごとに詳しく比較したい場合は、デジタルファイルの長期保存フォーマット早見表を確認してください。
データの引用・出典
判定結果やページの内容を引用・転載する場合の書式はデータの引用・転載についてにまとめています。
- 内閣府:行政文書の管理に関するガイドラインの細目等を定める公文書管理課長通知(表1)
- 国立公文書館:電子公文書等の長期保存フォーマットを含む長期保存に関する調査報告(令和6年3月28日)
- 国立公文書館:電子公文書の作成・保存・利用ガイドブック(前編)
変更履歴
- 2026年7月29日:公開。判定ルールの確認日も同日です。
誤りのご報告
判定結果や解説の内容に誤りを見つけた場合は、運営者情報のページからお知らせください。根拠としている公式資料は改正されることがあるため、ご指摘は確認のうえ反映します。
関連ツール
- デジタルファイルの長期保存フォーマット早見表:形式ごとの国際標準規格、国立公文書館の評価、米国議会図書館・米国国立公文書館の区分を出典つきで横断比較できます。
- conbu.jp 便利ツール一覧:登録不要・ブラウザで完結する無料Webツール集です。