2026年度の太陽光売電価格|FIT買取14.58円と初期投資支援スキーム(24円/8.3円)の仕組み
「太陽光 売電価格 2026」で調べると24円という数字と、もっと安い数字の両方が出てきて混乱した方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、2026年度(令和8年度)に認定を受ける住宅用太陽光(10kW未満)は、1〜4年目24円/kWh・5〜10年目8.3円/kWhの2段階方式(初期投資支援スキーム)で、10年間の加重平均は14.58円/kWhです。本記事はこの仕組みと、年度別の価格推移、10年間の売電収入の計算例までを、資源エネルギー庁・経済産業省の公表資料に基づき整理します。データ基準日は2026年10月11日時点です。
2026年度(令和8年度)住宅用太陽光のFIT買取価格
2026年度に認定を受ける住宅用太陽光発電(10kW未満)のFIT買取価格は、1〜4年目が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhという2段階方式です。買取期間はこれまでと変わらず10年間で、10年間を通じた加重平均単価は14.58円/kWhになります。この単価は2025年度下期(2025年10月〜)の認定分からすでに適用されているもので、2026年度も同じ水準(24円/8.3円、加重平均14.58円/kWh)が継続しています。経済産業省は2026年3月19日付のプレスリリースで、2026年度以降の買取価格等とあわせて再エネ賦課金単価も設定したと発表しました。
なお、この10年間の買取期間が満了すると、いわゆる「卒FIT」となり、その後の売電単価は電力会社ごとに個別に設定される卒FIT買取単価に切り替わります。卒FIT後に売電を続けるのと蓄電池を追加するのとでどちらが得かは、卒FIT後の損益計算ツールで比較できます。
初期投資支援スキームとは何か - なぜ前半だけ手厚いのか
「初期投資支援スキーム」は、買取期間10年間のうち前半(1〜4年目)の単価を高く、後半(5〜10年目)の単価を低く設定する2段階方式のことです。2025年度上期(4〜9月)までは単一の固定単価(15円/kWh)でしたが、2025年度下期(10月〜)の認定分からこの2段階方式に切り替わり、2026年度も継続しています。
調達価格等算定委員会の「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(2026年2月)では、2026・2027年度の住宅用太陽光(10kW未満)の調達価格の想定値として、システム費用25.5万円/kW・設備利用率13.7%・余剰売電比率70.0%(発電量の30%を自家消費する想定)・IRR(税引前)3.2%などが置かれています。ただしこれはあくまで価格算定上の想定値であり、個々の住宅に自家消費30%の達成を義務付けるものではありません。「自家消費等の比率30%以上」が認定の要件になるのは、10kW以上50kW未満の事業用太陽光(地域活用要件)と、10kW未満でもいわゆる屋根貸し事業(第一種複数太陽光発電設備設置事業)の場合です。資源エネルギー庁のリーフレットは、この仕組みの目的を「屋根設置太陽光発電の導入を加速するため」「発電事業者の早期の投資回収を支援します」と説明しています。
年度別FIT買取価格の推移(2012年度〜2028年度以降)
住宅用太陽光のFIT買取価格は、制度開始の2012年度から一貫して下落してきましたが、2025年度10月以降は2段階方式に切り替わっています。買取期間はどの年度も一律10年間です。
| 年度 | 買取価格(円/kWh、税込) | 買取期間 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2012年度 | 42 | 10年 | |
| 2013年度 | 38 | 10年 | |
| 2014年度 | 37 | 10年 | |
| 2015年度 | 33 | 10年 | |
| 2016年度 | 31 | 10年 | |
| 2017年度 | 28 | 10年 | |
| 2018年度 | 26 | 10年 | |
| 2019年度 | 24 | 10年 | |
| 2020年度 | 21 | 10年 | |
| 2021年度 | 19 | 10年 | |
| 2022年度 | 17 | 10年 | |
| 2023年度 | 16 | 10年 | |
| 2024年度 | 16 | 10年 | |
| 2025年度(4〜9月) | 15 | 10年 | 単一固定単価 |
| 2025年度(10月〜2026年3月) | 24(1〜4年目)/8.3(5〜10年目) | 10年 | 初期投資支援スキーム開始。加重平均14.58円/kWh |
| 2026年度(令和8年度) | 24(1〜4年目)/8.3(5〜10年目) | 10年 | 初期投資支援スキーム継続。加重平均14.58円/kWh |
| 2027年度(令和9年度) | 24(1〜4年目)/8.3(5〜10年目) | 10年 | 初期投資支援スキーム継続(2026年3月19日設定)。加重平均14.58円/kWh |
| 2028年度以降 | 未告示 | — | 価格は未設定 |
出典: 経済産業省プレスリリース「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」(2026年3月19日)、資源エネルギー庁「買取価格・期間等」「過去の買取価格・期間等」、調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」。詳細URLは記事末尾の出典一覧をご覧ください。
10年間の売電収入シミュレーション(4kWモデルケース)
実際にどれくらいの売電収入になるのか、システム容量4kW・年間発電量の目安を1kWあたり1,000kWh/年(太陽光発電協会JPEAのよくある質問の計算例。真南・傾斜30度)とし、日中の自家消費が実質ゼロに近い(売電量がほぼ全量に近づく)境界値のケースで試算してみます。
- 年間発電量 = 4kW × 1,000kWh/kW = 4,000kWh/年
- 1〜4年目の年間売電収入 = 4,000kWh × 24円 = 96,000円/年 → 4年分 = 384,000円
- 5〜10年目の年間売電収入 = 4,000kWh × 8.3円 = 33,200円/年 → 6年分 = 199,200円
- 10年間合計 = 384,000円 + 199,200円 = 583,200円
検算として、583,200円を10年間の総発電量40,000kWh(4,000kWh×10年)で割ると14.58円/kWhとなり、上で紹介した10年間加重平均単価と一致します。この試算の前提である「4kW」が具体的に何枚のパネルに相当するかは、太陽光パネル枚数・必要面積計算ツールで確認できます。
なお、この試算は自家消費をほぼ考慮しない境界値のケースです。実際の自家消費率を反映した年別キャッシュフローで、初期費用が何年で回収できるかまで確認したい場合は、太陽光・蓄電池の投資回収年数計算ツールで容量や自家消費率を入力して計算できます。
住宅用は「余剰売電」が前提でFIPは対象外
住宅用太陽光(10kW未満)のFITは、伝統的に「余剰売電制度」です。発電した電力はまず自宅で自家消費し、使い切れなかった余剰分だけが売電の対象になる仕組みで、自家消費を0%にして全量を売電する契約は原則想定されていません。ただし、日中不在がちで自家消費が実質ゼロに近い世帯では、計算上ほぼ全量に近い売電が起こり得ます。前章の試算は、そうした自家消費がほぼゼロに近い境界値のケースを想定した参考値である点にご留意ください。
また、FIP制度(市場価格に一定のプレミアムを上乗せする制度)は、2026年度は50kW以上(事業用太陽光は一定の条件を満たす場合は50kW未満も)が対象です。住宅用(10kW未満)は、調達価格等算定委員会の意見で2025・2026年度は「FIT制度のみ認められる対象」とされています。本記事で扱う24円/8.3円もFITの買取価格です。
2027年度までの買取価格と2028年度以降の扱い
2027年度(令和9年度)の住宅用太陽光(10kW未満)の買取価格は、経済産業省が2026年3月19日に設定しており、2026年度と同じ初期投資支援スキーム(1〜4年目24円/kWh・5〜10年目8.3円/kWh、加重平均14.58円/kWh、買取期間10年)です。一方で、2028年度以降の買取価格はまだ設定されていません(資源エネルギー庁「買取価格・期間等」の価格表は2027年度まで)。調達価格等算定委員会の「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(2026年2月)では、住宅用の初期投資支援スキームについて「2029年度に支援期間の短縮の適用を開始することを基本とする」とされていますが、2028年度以降の具体的な単価はまだ決まっていません。2028年度以降の設置を検討している場合は、資源エネルギー庁・調達価格等算定委員会の最新の公表資料を必ず確認してください。
再エネ賦課金(2026年度4.18円/kWh)との関係
FIT制度による買取費用は、電気を利用するすべての消費者が負担する「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」によってまかなわれています。2026年度(令和8年度)の賦課金単価は4.18円/kWhで、2026年5月検針分から2027年4月検針分の電気料金に適用されます。これは太陽光を設置しているかどうかにかかわらず、電気を使うすべての家庭の電気料金に上乗せされる単価であり、本記事で解説した太陽光の売電価格(24円・8.3円)そのものとは別の数字である点に注意してください。太陽光を設置していない世帯を含め、年間の負担額の目安は、年間の電力使用量に賦課金単価を掛けることで概算できます。
よくある質問
2026年度に太陽光を設置すると、10年間ずっと24円/kWhで売電できますか?
いいえ。2026年度(令和8年度)の初期投資支援スキームでは、1〜4年目が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhの2段階です。10年間を通した加重平均単価は14.58円/kWhになります。24円は最初の4年間だけの単価である点にご注意ください。
FIPとFITは何が違いますか?住宅用も対象ですか?
FIPは市場価格に一定のプレミアムを上乗せする制度で、2026年度は50kW以上(事業用太陽光は一定の条件を満たす場合は50kW未満も)が対象です。住宅用(10kW未満)は2025・2026年度は「FIT制度のみ認められる対象」とされており、本記事の24円/8.3円もFITの買取価格です。
2027年度・2028年度以降のFIT価格はどうなりますか?
2027年度(令和9年度)は、経済産業省が2026年3月19日に2026年度と同じ24円/8.3円(加重平均14.58円/kWh)の初期投資支援スキームを設定しています。2028年度以降の買取価格はまだ設定されていません。最新情報は資源エネルギー庁の公表資料でご確認ください。
住宅用太陽光は全量売電できますか?
住宅用(10kW未満)のFITは自家消費を優先する「余剰売電」が前提で、全量売電を選べる契約は原則想定されていません。ただし日中の自家消費が実質ゼロに近い世帯では、計算上ほぼ全量に近い売電も起こり得ます。本記事の10年間583,200円の試算は、この境界値ケースを想定した参考値です。
- 経済産業省プレスリリース「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」(2026年3月19日) meti.go.jp
- 資源エネルギー庁「買取価格・期間等|FIT・FIP制度」 enecho.meti.go.jp
- 資源エネルギー庁「過去の買取価格・期間等」 enecho.meti.go.jp
- 資源エネルギー庁「屋根設置太陽光発電の初期投資支援スキーム」解説資料(PDF) enecho.meti.go.jp
- 調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(2026年2月、PDF) meti.go.jp/shingikai/santeii
- 資源エネルギー庁「FIT・FIP制度 よくある質問」(自家消費等の比率30%の認定要件) enecho.meti.go.jp
- 太陽光発電協会(JPEA) よくある質問(1kWあたり年間約1,000kWh、真南・傾斜30度の計算例) jpea.gr.jp
- 2026年度分の24円/8.3円・加重平均14.58円を明記した解説記事(二次情報、複数出典との一致を確認) taiyoko-kakaku.jp
免責事項: 本記事の内容は、資源エネルギー庁・経済産業省の公表資料等に基づく概算・学習用の解説であり、投資助言や特定商品の推奨ではありません。実際の売電単価・契約条件は、資源エネルギー庁の最新公表情報および契約予定の販売業者・電力会社に必ずご確認ください。太陽光・蓄電池の購入・契約・投資の判断は、ご自身の責任で行ってください。詳細は免責事項をご覧ください。