このツールが読み取っているもの
OpenType/TrueType のフォントファイルには OS/2 という領域があり、その中の fsType という2バイトの値に、フォント提供元が設定した埋め込み許可の指定が記録されています。本ツールは、選んだファイルの先頭からテーブルの位置を辿り、この値をそのまま読み出して表示します。あわせて、フォント自身が name テーブルに書き込んでいるライセンス記述(nameID 13)とライセンスURL(nameID 14)を、同じ行に並べて表示します。
この2つは別々の情報です。片方だけを見て判断しないために、必ず並べて出しています。
仕様は nameID 13 を「そのフォントが提供されているライセンスの記述」、nameID 14 を「追加のライセンス情報の所在を示すURL」と定めています。あわせて、この欄の内容と実際のライセンス条文とで解釈が食い違いうることにも注意を促しています。したがって、ここに表示される文字列も条文そのものではありません。
本ツールでできないこと
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WOFF2(
.woff2)は解析できません。理由は3つあります。- WOFF2 は全テーブルを1本のストリームにまとめて圧縮する形式で、
OS/2だけを取り出すことができません。WOFF(1.0)のようにテーブル単位で展開する経路が存在しません。 - そのストリームの展開に必要な形式は、ブラウザの標準API(
DecompressionStream)の仕様には存在しますが、Chrome と Edge が未実装です(2026年8月4日時点の公開されている互換データによる)。Firefox 147 と Safari 18.4 では実装済みと記録されています。ブラウザによって動いたり動かなかったりする状態になるため、対応形式に含めていません。 - WOFF2 のテーブル一覧は WOFF(1.0)とは別の形式で、可変長のフィールドや変換フラグを持ちます。展開できたとしても、読み取りには別の実装が必要です。
WOFF2 は判定結果として「WOFF2 は解析できません(このツールの対応範囲外です)」と表示します。注記で済ませず、結果の欄に出します。
- WOFF2 は全テーブルを1本のストリームにまとめて圧縮する形式で、
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利用許諾の判断はしません。
fsTypeはフォント提供元がファイルに設定した技術的な指定であり、ライセンス条文そのものではありません。本ツールは値を読んで表示するだけで、そのフォントを実際に使ってよいかどうかを判断しません。判断はライセンス条文と提供元の案内に基づいて行ってください。 -
実際にファイルを読んで確かめた書体は、42書体のうち16書体だけです。日本語フォントのライセンス早見表に掲載している42書体のうち、実際にファイルを開いて
fsTypeを読み取れたのは16書体です。残る26書体の内訳は、有償フォント5書体、macOSに同梱されるフォント1書体、無料で配布されているが読み取りに使った環境に入っていなかったフォント20書体です。この20書体は「入手できない」のではなく「今回は読み取っていない」ものです。
fsType が表す区分
OpenType 仕様は、fsType の下位4ビット(bits 0–3、マスク 0x000F)の有効な値を 0 / 2 / 4 / 8 の4つと定めています。
| 値 | 本ツールの表示 | 仕様上の区分の内容 |
|---|---|---|
0 | 制限なし(Installable embedding) | 埋め込みに加えて、他のシステムへの恒久的なインストールまでを対象に含む区分。 |
2 | 権利者の許可が必要(Restricted License embedding) | 権利者の明示的な許可を先に得ることを求める区分。仕様は、この区分が成立するのは下位4ビットがちょうど 2 のときだけだと定めています。 |
4 | 閲覧・印刷のみ(Preview & Print embedding) | 閲覧・印刷のために一時的に読み込む用途を対象とする区分。文書は読み取り専用で開く前提と書かれています。 |
8 | 編集を伴う埋め込みも可(Editable embedding) | 一時的な読み込みに加えて、編集と保存までを対象に含む区分。 |
これに加えて、上位側に2つの付加ビットがあります。bit 8(0x0100、No subsetting)と bit 9(0x0200、Bitmap embedding only)です。
他のシステムへの恒久的なインストールまで対象に含むと仕様が書いているのは 0 だけです。4 と 8 はどちらも一時的な読み込みを前提とする区分で、そのうち 8 は編集と保存まで対象に含む側、という関係です。8 を「いちばん緩い値」と読まないでください。
同じ区分の値が入っていても、ライセンス条文の内容はフォントごとに違います。値の意味とライセンス条文の関係は技術フラグと利用許諾は別物で詳しく扱っています。
仕様に定められていない値だった場合
下位4ビットが 0 / 2 / 4 / 8 のいずれでもない場合や、予約ビットが立っている場合、本ツールは「仕様で定められていない値です」と表示し、立っているビットをすべて並べます。どれか1つの意味に丸めることはしません。旧い版の仕様には、複数のビットが立っているときの扱いについての記述がありますが、本ツールはその記述を引用として添えるだけで、こちらの判断で1つの値に決めることはしません。
指定を記録する領域が見つからない場合、領域が途中で切れている場合、ファイルの構造を読み進められない場合は、いずれも「読み取れませんでした」と表示します。0(制限なし)として扱うと、確認が必要なフォントを確認しないまま使ってしまう恐れがあるためです。
対応している形式
| 形式 | ファイル先頭 | 本ツールの扱い |
|---|---|---|
| TTF | 0x00010000 | 読み取ります。 |
| OTF | OTTO | 読み取ります。 |
| TTC / OTC | ttcf | 中に入っている書体を全件読み取ります。 |
| WOFF(1.0) | wOFF | 該当する領域だけを展開して読み取ります。非圧縮で格納されている場合はそのまま読み取ります。 |
| WOFF2 | wOF2 | 読み取れません。上記の理由により対応範囲外です。 |
Webフォントの形式と fsType の関係はWebフォント配信とfsTypeで扱っています。
確かめられていない範囲
- OTF(CFFアウトライン)の実物のファイルに到達していません。読み取りに使った環境にあったフォントはすべて TrueType アウトラインでした。OTF の読み取りは、その場で合成した検査用データでのみ動作を確認しています。
- WOFF(1.0)の実物のファイルにも到達していません。同じく、合成した検査用データでのみ動作を確認しています。
- OS/2 テーブルの version 5 のフォントの実物に到達していません。読み取った287面の内訳は version 0・1・2・3・4 のみでした。
- BIZ UD の4書体については、ライセンス早見表が扱っている配布経路の版を読み取っていません。早見表の記載は Google Fonts で配布されている版を対象にしていますが、読み取れたのは Microsoft 供給版のファイルでした。この2つを並べて「食い違っている」とは読めません。別の配布物だからです。なお、読み取れた16書体には Google Fonts で配布されている版もあり、そちらは早見表の記載と申告ライセンスが一致しています。
- 読み取ったのは、作業に使った1台のWindows PCにインストール済みのファイルだけです。ダウンロードは一切行っていません。同じ書体名でも、配布経路が違えば
fsTypeが違う可能性があります。
読み取って分かったこと
2026年8月4日に、作業に使った1台のWindows PCにインストール済みのフォントファイル232件(287面)を読み取りました。ダウンロードは一切行っていません。この標本から次のことが確認できました。
- 同じライセンス記述(nameID 13)を申告しているファイルが110ファミリ・195面あり、その
fsTypeは0/4/8の3種類に割れていました(8が102ファミリ、4が7ファミリ、0が1ファミリ)。この110という数は「そう名乗っているファイルの数」であって、特定のOSに同梱されるフォントの数ではありません。 4だった7ファミリは、すべて日本語のUD書体でした。- ライセンス条文がアプリへの埋め込みを不可と明記している6書体の
fsTypeは、いずれも8(編集と保存を伴う埋め込みまで対象に含む区分)でした。 - SIL Open Font License 1.1 を名乗る23ファミリのうち、22ファミリが
0、1ファミリが8でした。オープンライセンスを名乗っていても0になるとは限りません。
いずれも、技術フラグの値からライセンス条文の内容を導けないことを、フォントファイル自身のデータだけで示しています。内訳と条件は技術フラグと利用許諾は別物にまとめています。
解説
書体ごとのライセンス条文の整理(商用利用・Web配信・アプリ組込み・ロゴ商標・改変・再配布の6区分)は、日本語フォントのライセンス早見表にまとめています。本ツールが読み取るのはファイルの中の値、早見表が扱うのは条文の内容です。
よくある質問
読み込んだフォントファイルは送信されますか?
送信しません。ファイルの読み取りと表示はブラウザの中だけで行い、外部へ送る処理を持っていません。
WOFF2は読み取れますか?
読み取れません。WOFF2は全テーブルを1本のストリームにまとめて圧縮するため、OS/2テーブルだけを取り出せないためです。
fsTypeを見れば、そのフォントを埋め込んでよいか判断できますか?
判断できません。fsTypeはフォント提供元がファイルに設定した技術的な指定であり、利用許諾そのものではありません。判断はライセンス条文で行ってください。
TTCのように複数の書体が入ったファイルはどう表示されますか?
中に入っている書体を全件表示します。1つのファイルの中でも書体ごとにfsTypeが異なる場合があるため、先頭の1件だけで判断しないでください。
仕様に定められていない値だったときはどうなりますか?
「仕様で定められていない値です」と表示し、立っているビットをすべて並べます。どれか1つの意味に決めることはしません。
実際にファイルを読んで確かめた書体はどれくらいありますか?
日本語フォントのライセンス早見表に掲載している42書体のうち16書体です。残る26書体は読み取っていません。
データの引用・出典
本ページの内容を引用・転載する場合の書式はデータの引用・転載についてにまとめています。リンクの設置は任意です。
- OpenType 仕様:OS/2 テーブル(fsType の定義)(確認日 2026年8月4日)
- OpenType 仕様:フォントファイルの構造(確認日 2026年8月4日)
- OpenType 仕様:name テーブル(name ID 13 = License Description、name ID 14 = License Info URL の定義)(確認日 2026年8月4日)
- W3C:WOFF File Format 1.0(確認日 2026年8月4日)
- W3C:WOFF File Format 2.0(確認日 2026年8月4日)
- WHATWG:Compression Standard(確認日 2026年8月4日)
- MDN:DecompressionStream(ブラウザ実装状況の記載を含む)(確認日 2026年8月4日)
変更履歴
- 2026年8月4日:公開。仕様の確認日、およびフォントファイルを読み取った日も同日です。
誤りのご報告
表示内容や解説に誤りを見つけた場合は、運営者情報のページからお知らせください。根拠としている仕様やブラウザの実装状況は更新されるため、ご指摘は確認のうえ反映します。
関連ツール
- 日本語フォントのライセンス早見表:42書体の利用条件を、商用利用・Web配信・アプリ組込み・ロゴ商標・改変・再配布の6区分で出典つきに整理しています。
- 便利ツール一覧:登録不要・ブラウザで完結する無料Webツール集です。