クラウドストレージのファイル名制限 — 自社ページで明記しているのは3社だけ
「主要クラウドストレージはどこも禁止文字を公式に明記している」と思われがちですが、OneDrive/SharePoint・Dropbox・Box・iCloud Drive・Google Driveの5社を実際に公式資料で確認すると、内訳は一様ではありません。自社サービスを主題とする公式ページで禁止文字などを明記しているのは3社、OS側の周辺資料を経由してようやく間接的に確認できるのが1社、探索を尽くしても公式記載を発見できなかったのが1社でした。本記事はこの内訳と、それぞれの数字が何を数えているのかを出典つきで整理します。本サイトは特定のファイル名の可否を判定するものではありません。
内訳: 3社・1社・1社
まず「何をもって明記とみなしたか」を明確にします。ここでの3社は、そのサービス自身を主題としたヘルプ記事の中で禁止文字・予約名・文字数などを直接説明しているケースです。
| 区分 | サービス | 根拠 |
|---|---|---|
| 自社ページで明記 | OneDrive / SharePoint・Dropbox・Box | 各社サービス自身のヘルプ記事内に禁止文字・文字数等の直接記載あり |
| OS経由で間接確認 | iCloud Drive | iCloud Drive固有のページではなく、macOS Finder全般のリネーム規則ページから確認 |
| 記載を発見できず | Google Drive | Drive API v3・メタデータガイド・Shared drive limitsの3系統を確認しても言及なし |
この内訳で最も誤解されやすいのは、「4社が禁止文字を明記している」という数え方です。iCloud Driveの禁止文字情報は、iCloud Driveというサービス自体を主語にした説明ではなく、Mac全般のファイル名変更ルールを解説したページから間接的に得られるものです。この区別を保ったまま、以下で各社を見ていきます。
自社ページで明記している3社
OneDrive/SharePointは、Microsoft公式ヘルプ「Restrictions and limitations in OneDrive and SharePoint」で、禁止文字9種(" * : < > ? / \ |、先頭・末尾の空白も不可)、.lockやCON等の予約名、パス全体400文字(ファイル名込み)を明記しています。この分野はすでに当サイトの姉妹ツールOneDrive/SharePointのファイル名チェッカーが詳しく扱っているため、本記事では要約に留めます。
Dropboxは、公式ヘルプ「Naming Dropbox files and folders」(Updated Oct 14, 2025)で、常時使用不可の文字を/と\の2種、非推奨(同期・表示不具合の可能性がある文字)として< > : " | ? * .を挙げています。パス長については次の原文があります。
File paths must be fewer than 260
ここでの260という数値が数えているのは「パス全体の文字数」であり、しかもDropbox独自のカウント方式が採用されています。全角文字(2バイト相当)は1文字として、絵文字などUTF-16でサロゲートペアになる文字は2文字としてカウントする、という規定です。単純に「260文字まで」と読むと、他社の文字数カウント方式と混同しやすい点に注意が必要です。また末尾ピリオドについては次のように、OS限定の例外があります。
except at the end of the name on Windows
つまりDropboxは末尾ピリオドをWindows環境に限り不可としており、他社が末尾のドット・空白を一律禁止する書き方と異なります。
Boxは、公式ヘルプ「Troubleshooting Uploads to Box」(Updated Apr 14, 2026)で、禁止文字9種(< > : " / \ | ? *)に加え、非印字ASCII文字・特殊名./..自体・Unicode基本多言語面(BMP)外の文字を不可としています。ファイル名長については次の原文があります。
255 characters or less
ここでの255は「ファイル名単体の文字数」です。またBoxは大文字小文字を区別しないだけでなく、アクセント記号も区別しない(aとăを同一視する)という、他社では確認できなかった特徴も明記しています。
OS経由で間接確認できる1社 — iCloud Drive
iCloud Driveの禁止文字情報は、Apple公式サポート「Macでファイル、フォルダ、およびディスクの名前を変更する」というページから得られます。原文は次のとおりです。
コロン(:)は使用できません
コロン(:)の使用不可、先頭ピリオド(.)を付けられないことがこのページで確認できます。しかしこのページ自体には「iCloud」という語が一度も出てきません。当サイトはこのページの生テキストを直接確認し、"iCloud"の出現回数が0であることを確かめています。つまりiCloud Drive固有の禁止文字ページというものは存在せず、macOS全般のファイル名ルールを経由してはじめて間接的に確認できる値だということになります。
パス長についても、iCloud Drive自体を主題とするページではなく、「Windows環境でパスが長すぎてiCloud Driveに同期できない場合」という別のトラブルシューティング記事(Published June 03, 2026)から、各セグメント(ファイル名・フォルダ名単体)についての次の記述が得られます。
less than 256 characters long
ここでの256文字は「パス全体」ではなく「1つの名前単体」の話です。パス全体の合計文字数上限そのものは、Apple公式ページでは公開されていません。
探索を尽くしても記載を発見できなかった1社 — Google Drive
Google Driveについては、Drive API v3のfilesリソース、ファイルメタデータ管理ガイド、Shared drive limitsという3系統の公式資料を確認しましたが、禁止文字・予約名・ファイル名長・パス長・大文字小文字の区別・Unicode正規化のいずれについても、公式な記載を発見できませんでした。
捏造に注意 — AI要約をそのまま信じない
この調査の過程で、検索エンジンのAI要約機能が実在しない情報を返す例が複数見つかりました。1つは「DropboxがCON/PRN/AUX/NULをWindows型の予約名として明記している」という趣旨の要約でしたが、Dropbox公式記事2本の原文にはそのような記載はありません。もう1つは「Google DriveはNFCに正規化する」という要約でしたが、出所をたどるとGoogleではなくProton Driveのフォーラム投稿でした。要約や第三者の伝聞情報を根拠にせず、必ず一次資料の原文にあたることの重要性を示す実例です。
よくある質問
Googleが公式にファイル名の制限を書いていないなら、無制限と考えていいですか?
いいえ。当サイトが3系統の公式資料を確認しても記載を発見できなかった、という意味の「公式記載なし」であり、「制限が存在しない」ことの証明ではありません。内部的な制約が非公開のまま存在する可能性は排除できません。
iCloud Driveの禁止文字はどこに書かれていますか?
iCloud Drive専用の禁止文字ページはありません。Apple公式のmacOS Finder全般のリネーム規則ページに間接的な記載があり、当サイトはそのページに「iCloud」という語が一度も出てこないことを生テキストで確認しています。
OneDrive/SharePointのファイル名制限を詳しく知りたい場合は?
本記事では要約に留めています。詳細な禁止文字・予約名・パス長の一覧はOneDrive / SharePointのファイル名・パス制限のページ、実際のファイル名をチェックしたい場合はOneDrive/SharePointのファイル名チェッカーをご利用ください。
Dropboxの260文字はWindowsの260文字と同じ意味ですか?
いいえ、別の数字です。DropboxのFile paths must be fewer than 260という規定は、全角文字を1文字・サロゲートペアの絵文字等を2文字として数えるDropbox独自のカウント方式によるパス全体の文字数です。Windows APIのMAX_PATH(260)とは算出方法も対象も異なります。
出典・関連リンク
- Microsoft Support - Restrictions and limitations in OneDrive and SharePoint禁止文字・予約名・400文字
- Dropbox Help - Naming Dropbox files and folders (Updated Oct 14, 2025)禁止文字・独自カウント方式の260文字
- Box Support - Troubleshooting Uploads to Box (Updated Apr 14, 2026)255文字・大文字小文字非区別
- Apple サポート - Macでファイル、フォルダ、およびディスクの名前を変更するiCloud Driveの間接的な出典
- Apple Support - If files in Windows won't sync to iCloud Drive because the path is too long256文字未満の出典
- Google Drive API v3 - files resource確認したが記載なし
このページを引用する場合
本記事の情報を引用・紹介いただく場合は、記事名「クラウドストレージのファイル名制限 — 自社ページで明記しているのは3社だけ」と情報確認日「2026年7月26日」をあわせてお示しください。当ページへのリンクは任意です(リンクいただける場合は https://www.conbu.jp/tool/filename-limits/article-cloud-filename-rules.html をご利用ください)。
免責事項: 本記事はMicrosoft・Dropbox・Box・Apple・Googleの公式サイトではなく、特定のファイル名の可否を判定するものでもありません。掲載している内容は調査時点(2026年7月26日)で各公式資料から確認できた要約です。仕様は改定されうるため、利用前に必ず出典元の原典をご確認ください。詳細は免責事項をご確認ください。