
複数の借入を抱えていると返済日や返済額の管理に手間がかかり、大きな負担になります。
おまとめローンはこうした複数の借入を1つにまとめることで、返済の負担を軽減できる可能性がある借り方です。
金利の引き下げや返済管理の手間の削減といったメリットがある一方で、総返済額が増加するリスクや審査の難しさといった注意点も存在します。
おまとめローンを検討する際はシミュレーションを活用し、自分の状況に適しているかを慎重に判断することが重要です。
おまとめローンの基本的な仕組み

多くの借入があると返済が思うように進みません。
毎月しっかりと返済しているのに思うように元金が減らず、完済が見えてこないために返済のモチベーションも保てなくなることもあります。
その状況から抜け出すのが、おまとめローンの大きな役割です。
おまとめローンの内容と目的
おまとめローンとは、複数社からの借入を一本化するために設計された専用のローン商品を指します。
カードローンやクレジットカードのキャッシング、リボ払いなど、異なる借入先からの借金がある状況を整理し、返済先を1つにまとめることが主な目的です。
専用のローンではなく通常のカードローンを使って一本化をする場合もあります。
おまとめローンの最大の狙いは、返済管理の負担軽減にあります。
複数の返済日を覚える必要がなくなり、毎月1回の返済日に集中できるため、返済忘れや遅延のリスクを大幅に減らすことが可能です。
また、金利条件によっては利息負担を軽減できる場合もあり、計画的な完済を目指しやすくなります。
おまとめローンの対象となる借入
おまとめローンでまとめられる借入とまとめられない借入には、以下のようなものがあります。
| 借入の種類 | 対象可否 | 備考 |
|---|---|---|
| 消費者金融のカードローン | 対象 | 多くのローンでまとめ可能 |
| 銀行カードローン | 対象 | 一部制限がある場合も |
| クレジットカードのキャッシング | 対象 | リボ払いも含む |
| クレジットカードのショッピング枠 | 借入先により異なる | 対象外の場合あり |
| 事業性資金 | 対象外 | 生活資金のみが対象 |
借りるローンによってまとめられる借入の範囲は異なるため、申込前に対象となる借入の種類を確認しておくことが重要です。
基本的にはカードローンやキャッシングによる借入が対象で、事業性資金や住宅ローンなどはおまとめローンの対象外となります
おまとめローンの返済の流れ
おまとめローンを利用する際の基本的な流れは、まず新しい銀行や消費者金融に申込を行い、審査を受けることから始まります。
審査に通過すると契約した金融機関から借入金が振り込まれ、その資金を使って既存の借入先すべてに完済手続きを行います。
おまとめローンの種類や契約内容によっては、借入先が各返済先に契約者名義で直接完済金を振り込むこともあります。
完済後は、おまとめローンを借りた銀行や消費者金融の1社に対してのみ返済を続けていく形となります。
おまとめローン専用商品を契約した場合は、返済期間中は基本的に追加の借入ができない商品が多く、完済に向けて計画的に返済を進めていくことになります。
おまとめローンのメリット

おまとめローンを活用することで得られる利点は、単に借入先が減るという点だけではありません。
金利負担の軽減や返済管理の効率化など、借入者にとって実質的なメリットが複数存在します。
ここでは、おまとめローンを利用することで期待できる主な利点について見ていきます。
金利負担を軽減できる可能性
複数の借入をまとめることで、適用される金利が下がる可能性があります。
一般的に借入額が大きくなるほど金利は低く設定される傾向にあるため、小口の借入を複数抱えているよりも、まとめて一つの大口借入にした方が有利な金利条件を得られる場合があります。
数十万円ずつ少額の借入を複数抱えている場合は、おまとめローンによる金利負担の軽減効果が期待できます。
法律でも上限金利は1社あたりの借入金額によって以下のように決められているため、まとめて借りたほうが金利は下がることになります。
| 借入金額 | 上限金利 |
|---|---|
| 10万円未満 | 年20.0% |
| 10万円以上 100万円未満 |
年18.0% |
| 100万円以上 | 年15.0% |
50万円ずつ2社で借りていると、それぞれの借入先の上限金利は年18.0%です。
おまとめローンによって100万円を1社から借りることで上限金利は年15.0%となり、審査結果によってはさらに低い金利が適用されることがあります。
返済管理が楽になる
複数の借入がある状況では、それぞれの返済日や返済額を把握し続けることが必要です。
返済日が月に何度も訪れると管理の手間が増えるだけでなく、うっかり忘れてしまうリスクも高まります。
- 返済日が月1回に集約されるため、スケジュール管理が簡単になる
- 複数の金融機関とのやり取りが不要になり、手続きの負担が減る
- 返済状況の把握が容易になり、完済までの見通しが立てやすくなる
- 返済忘れによる遅延損害金の発生リスクを抑えられる
返済先が一本化されることで、精神的な負担も軽減されます。
複数の請求に追われる状況から解放され、1つの返済計画に集中できるようになるため、計画的な家計管理がしやすくなるでしょう。
毎月の返済額を調整できる
おまとめローンでは、返済期間を調整することで毎月の返済額を変更できます。
複数の借入でそれぞれ最低返済額が設定されている場合は、その合計額が家計を圧迫していることもあるでしょう。
おまとめローンで返済期間を長めに設定すれば、月々の返済負担を軽減することが可能です。
借入状況によっては月々の返済額が半分ほどにまで減ることもあります。
ただし、返済期間を延ばすことで月々の負担は減りますが、支払う利息の総額は増加する可能性がある点には注意が必要です。
返済額を減らすか、総返済額を抑えるか、自分の状況に合わせてバランスを考えることが求められます。
おまとめローンのデメリットと注意点

おまとめローンには多くのメリットがある一方で、利用にあたって理解しておくべきデメリットや注意点も存在します。
借入をまとめれば必ず有利になるわけではなく、場合によっては返済負担が増えることもあります。
申込前に以下の点をしっかりと確認しておくことが大切です。
総返済額が増加する可能性
おまとめローンを利用する際に、毎月の返済額を減らすために返済期間を長く設定すると、支払う利息の総額が増えてしまうことがあります。
例えば、既存の借入を5年で完済する予定だったものを、おまとめローンで7年に延長した場合は、金利が同じでも2年分の利息が追加で発生します。
返済期間を延ばすことで月々の負担は分散できますが、最終的に支払う総利息が増えてしまいます。
月々の負担を軽くすることは重要ですが、長期的に見ると総返済額が膨らんでしまう可能性があることを認識しておく必要があります。
おまとめローンを検討する際は、返済期間と総返済額のバランスを慎重に見極めることが求められます。
追加借入に制限が付くことがある
おまとめ専用のローン商品は返済専用として提供されており、契約後に追加で借入を行うことができないものが多いです
通常のカードローンのように限度額内で繰り返し借りられるものではないため、追加でお金が必要になってもおまとめローンで借りることはできません。
おまとめ専用ローンでなければ追加での借入はできますが、一般的におまとめ専用のローン商品に比べて金利条件で劣ります。
| 商品タイプ | 追加借入 | 特徴 |
|---|---|---|
| おまとめローン専用商品 | 不可 | 返済のみに特化 |
| カードローンでおまとめ | 可能な場合あり | 利用枠内で 借入可能 |
急な出費が発生した場合は、新たに別のローンを申し込む必要が生じる可能性があるかもしれません。
ただし、一部のカードローンでおまとめを行う場合は、利用可能枠の範囲内で追加借入ができる契約内容になっていることもあります。
おまとめローンの審査に通らないことがある
おまとめローンを利用するには、通常のカードローンと同じように審査に通過する必要があります。
既に複数の借入がある状態での申込となるため、審査基準は通常のローンと比べて慎重に行われる傾向にあります。
そのため、以下の状況ではおまとめローンの審査に通らないことになってしまいます。
- 今現在の返済ができなくなっている場合
- 収入に対して借入総額が多すぎる場合
- 過去に返済遅延や滞納の履歴がある場合
- 他社借入件数が極端に多い場合
- 勤続年数が短く、収入が不安定と判断される場合
おまとめローンはあくまで借り換えです。
今現在の返済ができていない場合は、おまとめローンの利用はできなくなってしまいます。
借金の整理ではないおまとめローン
おまとめローンは借金を整理するものではなく、借り換えを行って返済を続けていく借り方です。
今後も継続して返済続けていかなければなりません。
そのため、今現在の返済が遅れている場合や、借入が増えすぎて返済ができなくなってしまっている場合には、おまとめローンを借りることができません。
おまとめローンを検討するのは、返済ができている間に限られます。
複数の借入を抱えてしまって返済が負担になってきたと感じたら、各社への返済が正常に行えている間におまとめローンの検討をしてください。
おまとめローンのシミュレーションをする

おまとめローンを利用する前に、実際にどれだけの効果があるのかをシミュレーションで確認することは極めて重要です。
感覚的に「まとめた方が良さそう」と判断するのではなく、具体的な数字を元に比較検討することで、本当に自分にとって有利な選択なのかを見極めることができます。
当サイト独自のおまとめローンシミュレーターを用意しているので、おまとめ前後の比較ポイントや注意点を確認した上でシミュレーションをしてみましょう。
おまとめローンシミュレーターを使う
以下のツールで、おまとめローン前後の返済負担を比べられます。
現在の各借入の残高、金利、月々の返済額を入力すると、借入総額から想定される金利でおまとめローン後の返済状況が確認できます。
おまとめローン後の金利や月々の返済額は自由に変更できるので、自身の返済可能額や希望内容に合わせてシミュレーションをしてみましょう。
シミュレーションで確認すべき項目
おまとめローンのシミュレーションを行う際には、以下の項目を必ず確認しておく必要があります。
| 確認項目 | チェックポイント |
|---|---|
| 総返済額 | 利息を含めた総支払額の増減 |
| 総利息 | 完済までに支払う利息の総額 |
| 返済期間 (回数) |
完済までにかかる期間(回数)の変化 |
| 月々の返済額 | 現在の返済と比べた負担の変化 |
特に総返済額については目先の月々の返済額だけでなく、最終的に支払う金額がどうなるかを必ず確認してください。
金利が下がっても返済期間が延びることで、結果的に総額が増えてしまうことがあります。
おまとめローンの目的が「月々の返済額を減らす」と決めているのであれば、総返済額が増えてしまうのは仕方がありません。
シミュレーションツールを使えばこうした数字を簡単に比較できるため、おまとめローン後の返済をイメージしやすくなります。
どのように返済をしていくべきかも決められるようになります。
おまとめ前後の比較ポイント
おまとめローンのシミュレーションは、なるべく現在の借入状況を正確に把握することから始めたほうが良いです。
各借入先の残高、金利、毎月の返済額を確認し、それらをおまとめした場合の条件と比較します。
比較する際には単に数字を並べるだけでなく、自分の返済計画に照らし合わせて判断することが大切です。
例えば、月々の返済額を減らすことを最優先にしたい場合と、できるだけ早く完済したい場合では、選ぶべき返済プランが異なります。
できるだけ早くに完済したい場合は、現在の月々の総返済額からあまり下げないほうが良いでしょう。
また、おまとめ後に追加の借入が必要になる可能性があるかどうかも、重要な判断材料になることもあります。
シミュレーション結果を元に複数のパターンを検討し、最も自分に適した返済計画を選ぶことがおまとめローンを成功させるポイントとなります。
おまとめローンを選ぶ際のポイント

おまとめローンは多くの銀行や消費者金融が提供しており、それぞれ条件や特徴が異なります。
自分に最適なおまとめローン商品を選ぶためには複数の要素を比較検討し、慎重に判断する必要があります。
ここでは、おまとめローンを選ぶ際に特に注目すべきポイントについて説明します。
金利と返済期間の比較
おまとめローンを選ぶ上で最も重要な要素の一つが金利です。
金利が低いほど支払う利息が少なくなるため、複数の金融機関の金利条件を比較することは欠かせません。
ただし、金利だけを見て判断するのではなく、返済期間との組み合わせで総返済額がどうなるかを確認することが重要です。
- 返済期間を短く設定する:早期に完済できるため利息が減り、総返済額は少なくなる
- 返済期間を長く設定する:月々の返済額が少なくなる分だけ完済までに期間がかかり、総返済額が多くなる
おまとめローンは自分の収入状況やお金の余裕を考慮し、無理なく返済できる期間を選ぶことが大切なのです。
専用ローンかカードローンか
おまとめローンは大きく分けて2種類があります。
主に銀行が提供していることが多いおまとめ専用ローンと、通常のカードローンを使って複数の借入を一本化するものです。
どちらもおまとめとしての借り方に違いはありませんが、いくつかの異なる点があります。
| ローン | 違い |
|---|---|
| おまとめ専用ローン |
|
| カードローン |
|
おまとめ専用ローンは自由度は下がりますが、その代わりに金利の条件に優れることが多いです。
多く膨らんでしまった借入をまとめるための商品だけあって、完済に向けての返済は進めやすくなっています。
数百万円規模の借入でも、おまとめ専用ローンなら実現可能です。
数十万円から100万円ほどの規模の一本化なら、審査が早く手続きが進めやすいカードローンも選択肢に入ります。
ただし、おまとめ後にカードローンで追加で借りてしまうとさらに返済が負担になるので、自分自身でしっかりとセーブすることが求められます。
おまとめローンの利用に向いている人

おまとめローンはすべての人にとって有効な手段とは限りません。
借入状況や返済目的によっては、おまとめローンを利用することで逆に不利になることも考えられます。
おまとめローンの利用が特に適していると考えられる人の特徴について知っておきましょう。
複数の返済日管理に負担を感じている人
複数のカードローンやキャッシングから借入をしている場合は、それぞれの返済日が異なることで管理の手間が大きくなります。
月に何度も返済日が訪れると、どの借入の返済がいつなのかを常に把握しておく必要があり、うっかり忘れてしまうリスクも高まります。
| 返済管理の課題 | おまとめ後の改善 |
|---|---|
| 返済日が月に複数回ある | 月1回に統一される |
| 複数の金融機関とのやり取りが必要 | 1社のみとの取引になる |
| 返済忘れのリスクが高い | 管理がシンプルになりリスク軽減 |
| 全体の返済状況が把握しづらい | 残高や返済計画が明確になる |
返済日の管理に精神的な負担を感じている人にとっては、おまとめローンは返済をシンプルにし、計画的な完済を実現するための有効な手段となります。
返済先が一本化されることで、お金の管理全体が見通しやすくなるでしょう。
金利の高い借入が複数ある人
消費者金融やクレジットカードのキャッシングを複数利用している場合は、それぞれに高めの金利が設定されていることが多いものです。
こうした高金利の借入を抱えている人は、おまとめローンを利用することで金利負担を軽減できる可能性があります。
特に借入額が少額で分散している場合は、それぞれに上限に近い金利が適用されていることがあります。
それぞれの借入先で数十万円の限度額になっていると、契約金利は年18.0%の上限になっていることが多いです。
これらをまとめて一つの大口借入にすることで、より低い金利が適用される可能性があり、結果として支払う利息を減らすことができます。
ただし、実際に金利が下がるかどうかは審査結果や契約条件によって異なるため、事前のシミュレーションが不可欠です。
できるだけ早くに完済したい人
できるだけ早く完済したいという明確な目標がある人は、おまとめローンは適しています。
返済計画が一本化されることで完済までの道筋が見えやすくなり、計画的に返済を進めやすくなるためです。
今の複数借入でも何とか返済ができているという人でも、おまとめローンの利用によって返済が楽になることが考えられます。
返済ができなくなってからではおまとめローンの検討はできなくなってしまうので、返済ができている間におまとめローンに申し込むべきかを考えてみると良いでしょう。
おまとめローンでよくある質問
Q1. おまとめローンの審査期間はどのくらいかかりますか?
Q2. おまとめローンを繰り上げ返済することはできますか?
Q3. おまとめローンを利用すると信用情報に影響はありますか?
- 実質年率 2.5%~18.0%
- 限度額 1~800万円
- 審査時間 最短3分
- 融資時間 最短3分
| 実質年率 | 2.5%~18.0% |
|---|---|
| 限度額 | 1~800万円 |
| 審査時間 | 最短3分 |
| 融資時間 | 最短3分 |
- 実質年率 3.0%~18.0%
- 限度額 1~800万円
- 審査時間 最短18分
- 融資時間 最短18分
| 実質年率 | 3.0%~18.0% |
|---|---|
| 限度額 | 1~800万円 |
| 審査時間 | 最短18分 |
| 融資時間 | 最短18分 |
- 実質年率 3.0%~18.0%
- 限度額 1~800万円
- 審査時間 最短15分
- 融資時間 最短15分
| 実質年率 | 3.0%~18.0% |
|---|---|
| 限度額 | 1~800万円 |
| 審査時間 | 最短15分 |
| 融資時間 | 最短15分 |