
かつて存在した消費者金融ブランド「アットローン」は、すでに消滅しており、現在はプロミスに統合されています。
現在のアットローンは新規申し込みはできませんが、その仕組みや特徴はプロミスのサービスに引き継がれています。
アットローンは「なぜ消滅したのか」「プロミスとの関係はどうなっているのか」について、詳しく解説していきます。
アットローンとは何だったのか?設立背景と事業の特徴

アットローンは、かつて存在した消費者金融ブランドの一つであり、現在はプロミスへ統合されています。
当時はインターネットや電話を通じた申し込みを強みにしており、有名俳優を起用したTVCMも積極的に放映してしました。
ブランドとしてはすでに消滅していますが、消費者金融業界に与えた影響は大きく、現在のカードローンの仕組みにもつながっています。
三洋信販による創設とアットローンブランドの誕生
アットローンは三洋信販株式会社(後にプロミスへ統合)によって立ち上げられました。
当時の三洋信販は、消費者金融業界で新しいサービス形態を模索しており、その一環としてアットローンブランドを展開しました。
この「アットローン」という名称には、インターネットやモバイルから手軽に「@(アット)」で申し込めるという意味合いが込められていました。
また、三洋信販は「ポケットバンク」の名称のブランドもありましたが、アットローンと同様にプロミスに統合されています。
関連ページ
ポケットバンク(三洋信販)とプロミスの関係|金利の違いと現在の返済負担
設立当初の目的と市場における位置付け
設立当初のアットローンは、従来の店舗型融資ではなく、オンライン申込や即日審査といった利便性を重視していました。
特に20代から30代の若年層をターゲットに、少額融資を迅速に提供することが大きな特徴でした。
市場においては「新しい時代のカードローン」として注目を集め、既存の大手消費者金融との差別化を図る立ち位置にありました。
消費者金融業界におけるアットローンの役割とは
アットローンは、業界の競争を加速させる存在となり、各社がサービス改善に取り組むきっかけを作りました。
例えば「スピード審査」や「ウェブ完結型の申し込み」は、現在では当たり前の仕組みですが、当時はアットローンが積極的に推し進めた先駆的な取り組みです。
その後、プロミスへの統合を経てブランドは姿を消しましたが、消費者金融サービスの進化に大きな役割を果たしたといえます。
アットローンの当時の金利水準はどのくらいだったのか

アットローンは、1990年代後半から2000年代初期にかけて、多くの消費者金融と同様に高めの金利水準でサービスを提供していました。
当時は「グレーゾーン金利」と呼ばれる法律の隙間が存在しており、上限金利が現在よりも高く設定されていたため、借入コストは今と比べて大きな負担となることが一般的でした。
※ 参考:貸金業法のキホン|金融庁
しかし、そのような中でもアットローンはグレーゾーン金利ではなく、上限金利金利は実質年率18.0%の設定となっていました。
当時にしては珍しい、過払い金が発生しない金利水準です。
グループの金利戦略による顧客のすみ分け
アットローンの金利が低かったのは、その当時のアットローンやプロミスが属するグループが行っていた「金利フルライン戦略」に理由があります。
これは顧客の信用に応じてどこから貸し付けを行うか分けていたものです。
信用が高い顧客に対しては金利の低いところから、信用が低いリスクの高い顧客に対しては金利の高いことから貸付を行っていました。
これにより申し込み者に対してなるべくグループ内で貸し付けができるようにしており、利用者側にとっても、貸し付ける側にとっても、両者にとってメリットのある戦略となっていたのです。
グループ全体での審査で効率化
金利フルライン戦略による貸付は、何も申し込み者がそれぞれの銀行や消費者金融に申し込みをしなければならないわけではありません。
三井住友銀行とアットローンは当時のプロミスが保証会社となっていたため、どちらかに申し込みをするともう片方への審査と、保証会社であるプロミス自体の審査も行われていました。
具体的な審査の順番は以下の通りです。
- 三井住友銀行
- アットローンやモビット(現:SMBCモビット)
- プロミス
- クオークローンなど
アットローンや当時のモビットは上限金利を18.0%としていたために、グレーゾーン金利時代の借り入れでありながら過払い金は発生していません。
金利規制法改正前後での変化と影響
2006年の貸金業法改正により、いわゆる「グレーゾーン金利」が撤廃され、上限金利は大幅に引き下げられました。
この規制強化の影響で、アットローンを含む多くの消費者金融は事業構造の見直しを迫られることとなりました。
アットローンはもともとグレーゾーン金利での貸付は行っていなかっため、上限金利の引き下げによる影響は大きくはなかったはずです。
しかし、同時に施行された総量規制により、貸付対象者が大幅に減少したことで結果的にプロミスへ吸収されることになります。
※ 参考:貸金業法について|日本貸金業協会
アットローンはなぜ消滅したのか?現在のプロミスとの関係

アットローンは、一時期は利便性の高いサービスとして注目を集めましたが、現在ではブランド自体が消滅しています。
その背景には、親会社である三洋信販の経営状況や、消費者金融業界全体を揺るがす規制強化の動きが大きく関係しています。
最終的に、アットローンはプロミスへ統合され、独立ブランドとしての役割を終えることになりました。
三洋信販の経営状況とプロミスによる買収の流れ
三洋信販はかつては地方発の有力消費者金融会社として事業を拡大しましたが、過払い金返還請求や法改正による収益悪化の影響を強く受けました。
そのため資金繰りが厳しくなり、業界大手であったプロミスによる買収・吸収という形で再編が進められました。
アットローンは三洋信販のブランド戦略の一部でしたが、この経営再建の流れに伴い、独立ブランドとしての存続は難しくなったのです。
ブランド消滅後に利用者へ与えた影響
アットローンがプロミスに統合されたことで、既存の利用者は自動的にプロミスのサービスへ移行しました。
契約自体が消滅したわけではなく、借入残高や返済計画はそのまま引き継がれ、利用者にとって突然の不利益が発生することはありませんでした。
ただし、サービス名や申込窓口が変わったことで、心理的には「ブランドが消えた」という不安を抱く利用者も一定数存在しました。
上限金利の引き下げの影響も大きかった
アットローン自体はグレーゾーン金利ではなかったため、上限金利の引き下げによる影響は大きくはないはずでした。
しかし、上限金利が引き下げられたことで、プロミスとの金利条件に違いがなくなった影響は大きいです。
それまでの「金利フルライン戦略」自体を見直す必要があり、結果としてプロミスに統合され、アットローンは消滅してしまったのです。
現在のプロミスとアットローンを比較すると何が違うのか

アットローンと現在のプロミスを比較すると、金利や限度額といった基本条件だけでなく、利用者層やサービス展開にも大きな違いが見られます。
アットローンは当時の環境に合わせた「スピード重視・少額融資中心」のブランドでしたが、現在のプロミスは総合的な利便性を重視した大手消費者金融へと進化しています。
ここでは、具体的な相違点を整理しながら、利用者にとってどのような違いがあるのかを解説します。
利用条件は大きく変わった
貸金業法が改正される前のアットローンは、収入が不安定な方でも借りることができました。
また、他社での借入が多い方でも状況次第では借りられたため、多重債務が問題になっています。
しかし、現在のプロミスでは借りるためには以下の条件を満たす必要があります。
- 収入条件:申込者本人の安定した収入が必要
- 借入条件:他社での借入が年収の3分の1まで
アットローンがあった時代のような、収入に対する無理な借入はできなくなっています。
利用環境の大きな違い
アットローンがあった時代には、今の世の中では当たり前のサービスは提供されていません。
プロミスでは当たり前に利用できる24時間振込も、当時は銀行のシステムが対応していなかったことで、振込は平日の昼間に限られています。
また、スマホを使ってコンビニの提携ATMで借りるサービスもアットローンの時代にはありません。
アットローンも早さを売りにしていたカードローンですが、現在のカードローンは当時とは比べ物にならないほどに便利になっています。
当時のプロミスと現在のプロミスにも違いがある
アットローンが当時に吸収されたプロミスというカードローン会社は、現在は社名では存在していません。
現在のプロミスは社名ではなくサービス名です。
現在の社名はSMBCコンシューマーファイナンス株式会社となっており、同社が提供するカードローンのブランドとしてプロミスが使われています。
アットローンがあった時代と比べてカードローンは大きく変化していますが、カードローンを使う上での基本的なルールには違いはありません。
借りる際にはしっかりと返済計画を立てるようにし、無理のない範囲で借りるようにしなければなりません。
アットローンでよくある質問
Q1. アットローンの契約者は現在も返済義務が残っているのですか?
Q2. アットローンのサービスは現在のプロミスのどの部分に生かされていますか?
Q3. アットローンと銀行カードローンを比較した場合、どんな特徴があったのですか?
- 実質年率 2.5%~18.0%
- 限度額 1~800万円
- 審査時間 最短3分
- 融資時間 最短3分
| 実質年率 | 2.5%~18.0% |
|---|---|
| 限度額 | 1~800万円 |
| 審査時間 | 最短3分 |
| 融資時間 | 最短3分 |
- 実質年率 3.0%~18.0%
- 限度額 1~800万円
- 審査時間 最短18分
- 融資時間 最短18分
| 実質年率 | 3.0%~18.0% |
|---|---|
| 限度額 | 1~800万円 |
| 審査時間 | 最短18分 |
| 融資時間 | 最短18分 |
- 実質年率 3.0%~18.0%
- 限度額 1~800万円
- 審査時間 最短15分
- 融資時間 最短15分
| 実質年率 | 3.0%~18.0% |
|---|---|
| 限度額 | 1~800万円 |
| 審査時間 | 最短15分 |
| 融資時間 | 最短15分 |